大切なきみへ


「でもさぁ、吹奏楽部で良かったね。うちの野球部強いし」


…え!?


「野球部強いの!?」



「はな、今さら~?甲子園の常連だよ」



そ、そうなんだ



「久下、知らなかったの?」




「み、三浦くん!?…まぁね」




「うーわ、俺ショック~」



…誰だっけ?…百合の好きな人。



「あ、もしかして俺の名前知らない?」



「…はい。すみませんでした!!」



ほんと、申し訳ない



「黒瀬翔って言うから!いーよ、覚えといて!」



「うん!」


い、いい人だ…!



「ふーん?久下、翔の名前知らないんだ?」


今まで、大人しかった人が喋り始めた。



「もう知ってます~!」




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