大切なきみへ
(花華side)



いつも話しかけてくれる綾瀬くん

なんとなく前とは違う感情を持ってる気がする






塾が主催のお祭りに綾瀬くんと一緒に行く約束をしてたから、もう今日がどれだけ楽しみだったか!




もう綾瀬くんの好きな人はきっと

私じゃないんだろうなぁ


ちょっと悲しくなって、急いで準備をはじめた


色んな服を手にとってどれにしようってなりながら

前日決めておかなかったわたしをちょっとうらんだ

うーん、

一番お気に入りの白いワンピースにしよう〜




今日ちゃんと私の想い伝えなきゃ

気合いをいれて家を出た


「あ、綾瀬くん!!」


待ち合わせの時計台の下で、笑顔で手を振ってくれる綾瀬くん


「遅れてごめんね、」



「いーよ。まだ時間じゃないし


ほんとは花火しながらって思ったけどもういいや」





真剣な目をした綾瀬くんがわたしを見た






「やっぱりまだ好き

俺と付き合ってほしい」






「彼女として一緒に花火してくれない?」



手持ち花火を差し出される


もう友達じゃないよ、綾瀬くん



「うん!

しよう花火」



花火をもらって、気づいたときには抱きしめられていた

…いや、わたしから抱きついた気もする




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