大切なきみへ
「え、待って三浦くん!
ここ私の家?」
「そうだけど?」
「え、送ってくれたの?」
「どうせ帰り道だし」
「でも遠回りでしょ?」
「まあね」
「…まことに申し訳ない」
それ…
「全然気付いてなかったの?」
「…」
「まあ泣いてたからね」
「ほんとにありがとう」
ただ笑っただけなのにいつも俺のペースは乱される
俺、顔にでるタイプじゃないと思うんだけど
「じゃーね」
「ばいばい!気をつけてね!
なんかあったらラインしてね?」
男なんだけどなー
「はいはい」
歩きながら後ろから聞こえてくる声に
顔を見られたくなくて振り返らず手を振った