大切なきみへ
「綾瀬くんでいーんじゃないですかー?」
いかにも、俺に挑発している声が教室に響いた
黒板を見てみると、
“文化祭実行委員会”と
さっき、俺を推薦したのは、
山本陽希(ヤマモト ハルキ)
クラスの中心、すげーかっこいいやつ
…そして、こいつは俺を嫌ってる
「綾瀬くん、やってくれる?」
…こんなの、
「やります」
「さっすが王子。やることが違うな~」
挑発だって分かってる
そしてそれにのってはいけないことも
「推薦してくれてありがと、山本」
精一杯の笑顔で返した
「うわー…、蓮くんかっこいーね。
山本、顔はいいのにね…」
さっきから女子がずっと
俺と、山本を比較する。
なんで…なんだよ
なんで、上手くいかないんだ?