大切なきみへ
「はーなっおはよ~!」
「ゆりおはよ~」
…朝から可愛い〜百合さん
「あ、花華おはよ~」
「おはよー」
「桃、のんちゃんおはっ…!よ!?」
教室に入ろうとした瞬間、
“ゴンッ”という音と
少し私より後ろにいた三浦くんの
“おい、危なっ…!”という声とともにドアが閉まった
…ま、まさか入ろうとした目の前で、
ドアがしまるなんてことある?
こんなことってあるの?
ぶつけたおでこを擦りながら、ドアをしめた人を見てみると、
それは、笑顔の黒瀬くんだった
「久下おはよ!」
「…黒瀬くん?」
「なんか朝から眠そうだったから
目を冷ましてやった~」
と、満面の笑みでブイサインしながら
言う黒瀬くん
う、うーん
「あ、ありがとう?」
「どーいたしまして!」
そんな私たちを見て、麻倉くんは苦笑していた