大切なきみへ
無邪気な君と不器用なあいつと
(奏side)
あの日、外練で走っていた時だった
弓道部の峰山が俺にこう言った
「花華が!花華が…!
お願い、三浦!」
頭で考えるよりさきに、動いていた
大好きな、彼女のもとへ。
「久下!」
…久下から返事がかえってくることはなくて
「…峰山は、先生を呼んできて
あとは、誰か救急車呼んで。
俺は久下を保健室に運ぶよ。」
10分後くらいに救急車が来た
そして意識がなかった3日間、気が気じゃなくて
3日目は学校を休んで病室の前にいると
「お願いします!あの子運動が大好きなんです…!」
「…かなりきつい薬を飲まないことにはもう激しい運動はしちゃダメですよ」
「…」
泣いている声と先生の声が聞こえた