ゲーム彼氏とオタク彼女
「別にそんなのじゃなくて、翔といると女の子達が寄ってくるから邪魔なの」

靴を履き替えながら樹理にそう言った。




「え~。もったいないなぁ」

樹理とそんな話をしながら歩いていると、「美羽!!話がある」と翔に呼ばれた。


「ほらほら、王子様が来ましてよ。シンデレラ」
樹理は小声でそう言うと、私の背中を押した。


「わわっ」


樹理、中学の時にあった劇の台詞まだ覚えてたの?ていうか私はシンデレラじゃないし!

しかもなんかアレンジしてるし。


「それで、何??」


「あのさ」



「ん?」
ニコッと笑うと、翔は視線をそらした。
なんか緊張してる翔、久しぶりに見た気がする。
「ほ、放課後さ、時間あるか??」



「放課後?いいよ」



そう答えると、いつもの翔に戻って「じゃ、放課後教室で待ってて」と言い残して去っていった。


翔にいったい何があったんだろう?
朝来るときはいつもの翔だったから・・・・・・


「どうかしたー??」



樹理の声で、我にかえる私。


「ごめん、考え事してた」

「で、どんな話してたの??」


「放課後、時間あるかって」


樹理とそう話しながら、教室の扉を開けると―――。


「ねぇ天野さん!!朝から翔くんとデートしてたんでしょ、いいなぁー」
「ほんとうらやましい~~」
「ねぇねぇ!どんなこと話したの?」
「どこまでいったの??もうキスした?」
朝からクラスの女子に囲まれ、質問攻め。
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