シンデレラは恋に臆病
「……最初程ではないけど、スープがかかったとこがヒリヒリする」

十分ぐらい流水で冷した後真優を下ろして患部を確認すると、赤くなってはいたが水ぶくれもなく、皮も剥けてはいなかった。

「これなら病院に行かなくても大丈夫そうだな」

ホッと肩を撫で下ろす。

この程度で済んで良かった。

「涼介さん、ありがとう。だいぶ痛みが治まってきたよ。スカートは濡れちゃったけど」

真優が濡れたスカートを見て苦笑する。

「服は適当に俺が買って来るよ。一度席に戻ろうか」

「そうですね」

真優と一緒にテーブルに戻ると、店の支配人と先程の店員が謝罪に来ていた。
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