シンデレラは恋に臆病
せっかく仕事では上手くいっているのに、職場で気まずくなるのは嫌だ。

スマホをいじって伊達さんを待っていると、彼に会社の地下にある駐車場まで連れて行かれた。

シーザーのスポーツカータイプの車の前まで来ると、伊達さんはズボンのポケットから車のキーを取り出しドアのロックを解除する。

車で行くの?

「会社の近くじゃないんですか?」

これじゃまるでデートじゃない。

私は一度伊達さんにきっぱり断れてるからそうは思わないけど、普通の女なら絶対勘違いする。

伊達さん……何考えてるの?

私がこの状況に躊躇っていると、伊達さんは私を安心させるようにニコッと笑った。

「目黒だからちょっと距離があるんだ。乗って」

伊達さんが助手席の方まで回ってきてドアを開ける。
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