シンデレラは恋に臆病
「ほら、眉間にシワ」

伊達さんが私の眉間に指で触れる。

いきなり彼に触れられて心臓がドキッとした。

この人……私を心臓発作で殺す気じゃないでしょうね。

不意打ちで触れないでよ!

人の気も知らないで……。

心臓が持たないよ。

「最近、仕事中も今みたいに難しい顔してる。何かあった?」

……ああ、そうか。

上司として部下の相談に乗ろうとしてるのか。

じっくり話を聞きたくて、会社から離れた場所を選んでくれたのかな。

でも……本当のことなんて言える訳がない。

あなたが好きだから一緒にいるのが苦しいんです……なんて。

言ったらきっと伊達さんは困惑するだろう。

「……何もないです。でも、最近、不気味なくらい大塚さんが私を気遣ってくれて……きっとそのせいかもしれませんね」
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