シンデレラは恋に臆病
「ただ楽しめばいい」

……そんな特別扱いしないで下さい。

勘違いしそうになる。

ドアを開けるとカランコロンと心地よいベルが鳴って、イケメンの男性店員が現れた。

「予約していた伊達ですが」

伊達さんが名前を告げると、店員は私達を店の奥にある個室に案内する。

「雰囲気良さそうなお店ですね」

「ああ。俺も初めて来たけど、落ち着いた雰囲気だね」

伊達さんが私の対面に座ろうとするので、私は慌てて声をかけた。

「あの……横に座ってもらってもいいですか?対面だと上司と面接してるみたいで……」

「仕事は終わったんだし、上司っていうのは忘れたら?」

クスリと笑いながらも、伊達さんは私の横の席に腰を下ろす。
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