シンデレラは恋に臆病
「でも、俺達は今こうして出会ってる」

伊達さんが熱い目で私を見て、私の頬にそっと手をやる。

「伊達さん……?」

私が驚いて目を見開くと、伊達さんの顔が近づいてきて……フワッと何かが私の唇に触れた。

嘘……キスされた。

「ピーチの味がする。こういうシャンパンの味わい方もいいね」

そう呟いて伊達さんはクスッと笑う。

「もう、そんな恥ずかしいこと言わないで下さい」

私は彼の顔を正視出来なくて顔を背けた。

顔の熱が一気に上がる。

今の私の顔は茹で蛸のように真っ赤に違いない。

「そういうかわいい反応されると、からかいたくなるんだよね」

伊達さんが私の顎を掴んで、親指の腹で私の唇をなぞる。
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