シンデレラは恋に臆病
ちょっと夢見るくらい……神様許して下さい。

分不相応なのはわかってる。

でも……伊達さんを好きって思いが溢れて止まらない。

彼にとっては遊びかもしれない。それでも、今夜は彼と一緒にいたかった。

今夜だけ……そう自分に言い聞かせる。

それ以上は望まない。

伊達さんが車を発進させると、私は車窓から見える月をじっと眺めた。

「月が綺麗」

綺麗な月は人を狂わせる。

この時の私も月に狂わされたのかもしれない。

理性なんてものはなかった。

ただ彼が欲しかったんだ。


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