シンデレラは恋に臆病
……いられる訳がない。

考えるだけでも気がおかくしなりそうだ。

もうあの会社にはいられない。

午前六時過ぎ、すぐに伊達さんのマンションを出てタクシーで自分のアパートに帰る。

彼のマンションと比べると自分の家はなんてみすぼらしいんだろう。

玄関の鍵を開けて中に入ると最初はハハッと笑いが込み上げてきて、次には涙が溢れてきて止まらなくなった。

落ち着くんだ。落ち着くんだ。

今日も会社があるんだから……ここでずっと泣いているわけにはいかない。

口を押さえて涙を堪える。

少し落ち着くと、シャワーを浴びて新しい服に着替えた。

洗面台の鏡に映る自分を見て嘲る。

「酷い顔」
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