シンデレラは恋に臆病
自分の望みに合う仕事が見つかるまでは、きっちり仕事をしてキャリアを積もう。

それこそ、あの御曹司に馬鹿にされないように。

次の朝はいつもより二十分早く八時三十分に出勤すると、すでにあのすかした上司がデスクで仕事をしていた。

「おはようございます」

仏頂面で伊達さんに挨拶すると、彼はパソコンの画面から顔を上げ、チラリと私に目を向ける。

「おはよう。城野さん、早いんだね」

……嫌みか?

早いのはあんたの方でしょうが。

一体何時に出社してんのよ。

「伊達さん程ではありません」

冷ややかな視線を伊達さんに向けると、スタスタと自席に向かいバッグをデスクの足元に置いてPCを立ち上げる。
< 5 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop