シンデレラは恋に臆病
「……好きになっちゃったから……だからもう拒絶されるのは嫌なんです。昨日のことは全てなかったことにして下さい」

伊達さんから目を逸らし、泣きながら必死に懇願する。

これからは何もなかったフリをして、ただの上司でいて欲しい。

「嫌だね」

不機嫌な顔でそう言うと、伊達さんは私の顎を掴んで唇を奪った。

突然のキスに涙がピタッと止まる。

最初は罰するような強引なキスだったのに、次第に蕩けるような甘いキスになって、私の身体から力が抜けると、伊達さんは私の身体を抱き止めた。

「……何でキスするんですか!こんなの酷いです!」

涙目で伊達さんに抗議すると、彼は真摯な目で告げた。

「好きだから、キスした」
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