シンデレラは恋に臆病

私がそう返すと、伊達さんは身を屈めてもう一度私に甘いキスを落とした。

「これから親父とじいさんに挨拶しに行こうか？」

伊達さんが嬉しそうに私に提案するが、私は慌てて待ったをかける。

「だから、気が早すぎです！心の準備も出来てません！」

それに、今日は化粧もまともにしてない。

こんな顔で挨拶なんかしたら会長や社長に失礼だ。

「いや、変な邪魔が入る前に真優は俺のだって公表しとかないとね」

今にも社長室に行きそうな勢いの伊達さんを私は何とか思い止まらせようとする。

「そんな心配いりませんよ。私は伊達さんみたいにモテませんから」

「さっき高橋に口説かれてたのは誰だっけ？」

伊達さんがジト目で私を見る。

「それは……ただ食事に……」