シンデレラは恋に臆病
「城野さんはもう女神ですね。朝早く出勤してるし、夜も結構遅くまでいてくれて、無理と思ってた仕事をこなしてくれるんですよ。締切時間過ぎたのに、工場の主任に出荷の交渉してくれたり」

営業の高橋がビールをグイッと飲みながら真優の話をする。

「その上、性格もいいし、美人だもんな。派手な感じだけど、実際は落ち着いてて世話好きで好感持てるしさあ」

もう一人の営業の鈴木がうん、うんと頷く。

「へえ、城野さんて仕事も出来るし、いい子なんだ」

見た目は定時で帰りそうな感じなのに意外と仕事熱心らしい。

先入観ってよくないな。今度から気を付けなければ。

次の日から真優の仕事ぶりを見ていると、確かに彼女一人で事務のほとんどの仕事をこなしていた。

他の営業事務がいなくても、彼女がいれば誰も困らない。
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