シンデレラは恋に臆病
ちなみに、私のデスクのある島の奥に伊達さんがいる。

彼は一目でオーダーメイドとわかるスーツを身につけ、前髪は横に流してて知的なイメージ。カチッとネクタイも絞めてて一分の隙もない。

家でもスーツ着てそう。

玉の輿かもしれないけど、こんな人と結婚したら疲れるだろうな。

心の中でそう皮肉ると、机の上に置かれた書類を整理し、フロアの奥にある給湯室に行ってポットの準備をする。

給湯室のお湯の当番は特に決まっていないが、たいてい私がやっている。

お湯が沸くと、棚の中から自分のマグカップを取り出し紅茶を入れた。

自席に戻ると他の社員も出勤してきて伊達さんが笑顔で挨拶する。
< 6 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop