シンデレラは恋に臆病
「そりゃあ嬉しいですよ!」

「だったら、毎日つけてて」

そのために、ゴテゴテしたのは選ばずに、デザインが可愛いものを選んだのだ。

「わかりました。でも、これで十分ですからね。他には何もいりませんから」

真優が念を押すと俺は笑顔で頷いた。

「ああ」

店の店員に結婚指輪のカタログを自宅に送るように頼んだことは内緒にしておく。

やっと自分でも納得したのか、真優が指輪をマジマジ見つめ、どこかはにかんだ笑みを浮かべる。

「真優もアクセサリー好きなんだ?」

そう言って真優をからかうと、彼女は小さく頭を振った。

「涼介さんがくれたからですよ。好きな人にもらうのって初めてで……学生の頃とかペアリングとか憧れてたんですけど、彼氏がいなくて。私……全然モテないから、兄がまだ一緒に住んでた時は兄と映画観に行ったり……結構寂しい学生時代過ごしてたんですよ」
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