シンデレラは恋に臆病
いつも冷静でアンドロイドのような人と思っていたが、妹のことになると違うようだ。

「……本当にお兄さんと仲いいんだ」

少し皮肉を込めて言ったその刹那、真優のスマホが鳴った。

「あ……電話、お兄ちゃんからだ」

スマホの画面を見て真優が嬉しそうに電話に出る。

噂をすればなんとやらだ。

「お兄ちゃんどうしたの?何かあった?そっちって今深夜じゃないの?……え?今東京にいるの!」

真優が突然素っ頓狂な声を上げる。

玲司さんが今東京にいるのか。

「私?今、銀座だけど。ええ?今……これから?それはちょっと……」

真優が言葉を詰まらせながら、俺をチラッと見る。

「お兄さん何て言ってるの?」

電話の内容が気になって俺から真優に聞いてみる。
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