シンデレラは恋に臆病
「今近くに兄がいるみたいなんですけど、ランチを一緒に食べないかって……」

真優はどうしたものかと困り顔。

「いいんじゃない、一緒にランチ。俺もお兄さんには会わなきゃって思ってたし」

真優と結婚するなら、挨拶はしておかないと……。後々ネチネチ責められそうだ。

『真優?……誰か一緒なのか?』

スマホから玲司さんの声がする。

「あ~、何て言おう」

真優がスマホを手に持ったまま頭を抱える。

俺はそんな彼女からスマホを奪った。

「高校時代生徒会で一緒だった伊達涼介ですけど、ご無沙汰しています。今、真優さんと結婚を前提でお付き合いさせて頂いてるんですが、俺も一緒で構わないですよね?」

数秒の沈黙。
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