シンデレラは恋に臆病
「すみません。城野の名前で予約してるのですが」

「城野様ですね。こちらです」

女性店員が笑顔で俺達を案内すると、真優が俺に耳打ちした。

「あのチャイナドレス素敵ですよね。前に私も着たいって兄に言ったら、『似合わないから止めておけ』なんて言うんですよ。酷いでしょう?」

それは単に他の男に妹のセクシーな姿を見せたくないからじゃないのではないだろうか?

あのチャイナドレス、結構スリット入ってるしな。

「俺なら二人きりの時に着て欲しいけど」

ニヤリとすると、真優はジロッと俺を睨んだ。

「それって邪なこと考えてますよね?いつもの爽やかさがなくなってますよ」

「男っていうのはみんな邪なこと考えてるよ」
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