シンデレラは恋に臆病
クスッと笑って真優と一緒に玲司さんのいるテーブルに向かう。

窓際の奥のテーブルに玲司さんが座っていた。

彼のかけているメタルフレームの眼鏡がキラリと光り、彼と目が合う。

白いシャツに黒のデニムのパンツ姿の彼はカジュアルだけど、どこか人を寄せ付けない雰囲気を醸し出している。

だが、俺は構わず笑顔で声をかけた。

「玲司さん、お久しぶりです」

俺が頭を下げて挨拶すると、玲司さんはコクッと軽く頷いた。

「元気そうだな。まあ、座れ」

威圧感が半端ないが、この程度で怯む俺ではない。

「真優、窓側に行ったら?」

真優の肩に手をやり、彼女を玲司さんの向かい側に座らせると、俺は真優の横に腰かけた。
< 94 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop