怖い話ってやっぱり心霊系より人間絡みの方だよね
「なぁ、なんとかならないか?頼むよ。そうだ。お前、今日うちに泊まりに来いよ。」

こいつの家には何回か行った事があるが、今はちょっと事情が違う。

「いや、今日は無理だわ。うーん、そうだな…これ、使ってみろよ」

俺は準備してきた護符をAに渡す。

「これ、部屋に張っておけよ。お前の事守ってくれる筈だから」

「おぉ…すまんな!ってかもっと早くによこせよ!」

Aは護符で安心したのか、勝手な事を言って帰っていった。

だが翌日、またAが俺のところに来る。

なんだかゲッソリしている。

どうやら護符は効果がなかったらしい。

「夜中、寝ていると、何か気配を感じてさ、ふと目が覚めたんだ。そしたらさ…部屋に何か居たんだよ。黒い影が部屋の隅に。 で、また聞こえたんだ。呼ぶ声が。今度は俺の名前呼んでるんだよ…」

Aは頭を抱えている。

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