怖い話ってやっぱり心霊系より人間絡みの方だよね
「あの護符でダメか…」

俺は少し考えて、これは昨日のより強力なものだ、と言って別の護符を渡した。

今できる事はこれくらいしかない。

Aはそれを受け取り、フラフラと帰っていった。

しかし、Aの周りには怪現象が起き続けた。

聞こえてくる声は変わった。

もっと直接的な、死ね…死ね…死ね…という声に変わった。

携帯の留守番電話にも入っていたり、部屋で寝るのが怖くて、 公園のベンチなんかで寝ようとしている時にも聞こえてきた、と言っていた。

Aは1人でブツブツと独り言を言ってる事が増えた。

普段から近づく人は少なかったが、以前以上にAに近づく人は減った。

気が狂いかけていたか、もしくはもう狂っていたのかもしれない。

しばらくして、Aは大学に来なくなった。





そしてそれから数日後、Aが部屋で首を吊って死んでいるのが発見された。





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