フードの素顔。



耳を両手で塞いだ。


何よ!
そんなことしなくてもいいじゃないの。


嬉しくて叫んじゃったんだから、悪気なんて無いわよ。


「うっせぇよ。いきなり俺の名前叫ぶな。」

「空十!」



頭をかきながら、こっちを見てた。



あれっ。

今日はフードかぶってる。



「ねぇねぇ!お昼食べよ?」

「俺持ってきてねぇけど。」



そう言う彼の口にはストローが加えられていて。

真っ赤なトマトジュースを飲んでいた。



「トマト好きなの?」

「いや、大嫌い。」

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