あの夏に僕がここへ来た理由
「何も話さないのは卑怯だぞ。
ひまわりはあんたに心底惚れてるみたいだし、何を言ってもほっといての一点張り。
だから、今日、俺はあんたの話を聞きにきたんだ。
これからどうしたいのか・・・」
良平は、実を言うと、海人の心配もしていた。
「僕は・・・」
悔しくて、涙がこみ上げてくる。
良平はなんとなく気づいていた。
この海人という男は何か大きな事情を抱えている。
そして、決して悪い男ではないという事を。
でも、やはりひまわりを近づけるわけにはいかない。
ひまわりが傷つくのはもう見たくなかった。