あの夏に僕がここへ来た理由
「僕は、絶対にひまわりさんを騙してなんかいません。
これだけは、分かって下さい。
ひまわりさんは、何も分からない僕に、親切に一つ一つ色んな事を教えてくれました。
そして、僕は、そんな優しいひまわりさんに甘えてしまった。
そんな自分が、本当に情けなくて仕方ありません。
これからの僕だって、良平さんの言う通りどういう風になってしまうのか見当がつかない。
馬鹿みたいな話だと思うかもしれませんが、これが今の僕の現実なんです」
海人は、また黙ってしまった。
今の僕は影の中で生きているのと一緒だ。
堂々と胸を張れない僕は、何を言っても誰も認めてはくれない。
しばらく、沈黙が続いた。