あの夏に僕がここへ来た理由



ひまわりは海人の一連の出来事をサチに話したことを、少し後悔していた。


海人はこの時代の人間ではなく、70年前を生きていた人間だと・・・


サチは驚いた様子もなく、じっと一点を見つめていた。
ひまわりは海人を救ってくれたこのサチに、真実を知ってほしいと思っていた。

海人には、知り合いも保護者の代わりになる人もいない。
何かあった時に、海人の力になってもらいたかった。
でも、それは余計なお世話だったのかもしれない・・・


「その話が本当だとすれば、海人君がこの先どうなるのか私にも見当がつかない・・・

私はこの世の中は不思議な事だらけだと思ってはいるけれど、時代を超えてきた人間を見るのは初めてだよ」


サチは、淡々と話し始めた。
でも、サチの中の第六感は妙に納得していた。






< 166 / 234 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop