あの夏に僕がここへ来た理由
「海人君、よく、聞くんだよ。
私の言うことはただの気休めにしかならないかもしれないけど、この先の事は、誰にも分からないんだ。
だって、あなたがこの時代へ来た時だって、突然の出来事だったんだろ?
だけど、自分でそういう予感がするのであれば、何かしらひまわりちゃんには伝えておいた方がいいかもしれない。
でも、まだまだ、ここで働いてもらわないと給料だって払えないからね。
実際、今、あなたは私の目の前で生きているんだから・・・
私が喋っているのは幽霊かい?
そうじゃないだろ?」
サチはそう言うと、笑いながら海人の肩をたたいた。
「おまえさんは、今、生きてるんだ。
それだけで、十分」
今、生きている・・・
僕の人生はこの新しい時代で動き出しているのだろうか・・・