あの夏に僕がここへ来た理由
そして、僕は、今を精一杯生きるだけだ。
僕がここで生きるための原動力はひまわりであって、彼女のために、この時代で生きていくと決めたのだから。
「昨日は、本当にごめん。
一日寝たら、だいぶ元気になったよ。
まだちょっと頭痛はするんだけど、ひまわりの顔を見たら痛みも消えた」
海人は、無理に明るく振る舞った。
しかし、そんな海人を見てひまわりは目を伏せた。
「海人さん、私の前では無理しないでほしいの。
私は海人さんの苦しみも悲しみも、一緒に分かち合いたいと思ってる・・・
私を大切に思うなら、なんでも話して・・・
一人で苦しまないで・・・」
ひまわりはそう言って、海人の手を優しく握りしめた。
そして、海人は、何度もごめんと言いながらひまわりを抱き寄せた。
母さん、まだ僕を迎えに来ないでください・・・
僕は、彼女を一人にして行くわけにはいかないんだ。
僕は、できることなら、彼女と一緒にいたい・・・
この時代で、永遠に・・・
気丈に振る舞うひまわりを抱きしめながら、海人は泣いた。