あの夏に僕がここへ来た理由
ひまわりは花火を見ながら、ついさっき海人から聞いた話を頭の中で整理していた。
海人の言葉一つ一つを思い出し、心の中で復唱してみる。
でも、もうそんなことはどうでもいい・・・
これからの未来は誰にも分からない・・・
海人の不安な気持ちは痛いほど分かるけど、今、この瞬間を楽しまなきゃ。
ひまわりは海人の腕に抱かれながら、夜空に映える色鮮やかな花火を堪能することに決めた。
今日は夏の終わりといえども、一段と冷たい夜風が吹いている。
ひまわりは海人の様子が気になり、海人の顔を覗き込んだ。
すると、顔色がすぐれず、額には玉の汗が見える。
「海人さん、大丈夫?
顔色が悪いみたい・・・」
「うん、ちょっと頭痛が・・・」
海人は苦しそうに答えた。
ひまわりは海人のおでこに手をのせてみて、熱が高いことに驚いた。