あの夏に僕がここへ来た理由
祖父の家の片づけを始めて、4日が経った。
思いの外、祖父母が残していた荷物は多く、仕分けをする作業にかなりの時間を費やしてしまった。
祖父の部屋には、特に荷物が多かった。
半分以上はひまわりと好子との思い出の品ばかりで、アルバムや手紙、写真等にはなおさら時間がかかった。
几帳面な性格だった祖父は、手紙に関してはそれぞれの名前ごとに箱が分けられていた。
その箱は10箱以上にもなり、祖父の人となりが垣間見えた。
ひまわりの手紙が入った箱には「ひまわり」と書いてあり、子供らしい可愛い模様の柄がついていた。
そして、もう一つ、男の子向けの子供っぽい柄のついた箱があった。
その箱には「佐藤君」と書かれていた。
ひまわりはとても興味を抱いたが、片づけが終わった後に実家で見ることにして段ボールにしまった。
明日には引っ越し業者の人が荷物を引き取りにくるために、ひまわりは先を急いだ。