あの夏に僕がここへ来た理由
ひまわりは、頑張った甲斐があって引っ越し業者の人達が来るまでに、何とか荷物をまとめることができた。
そして、最後に雑巾がけをするつもりでひまわりは、お風呂場でバケツに水をくんでいた。
「すみませ~ん」
え? もう来ちゃった?
ひまわりは慌てて玄関へ走って行くと、そこにはサラリーマン風の男の人が立っていた。
「すみません、佐々木さんのお宅ですか?」
「はい、そうなんですが、佐々木は、祖父は、だいぶ前に亡くなってもうここには居ないんです・・・
あ、私は孫娘になるんですけど・・・
何かご用でしょうか?」
その人は、よくよく見たらまだ若った。
髪はちょっとボサボサで、眼鏡をかけている。
そして、営業マンにしては、キョロキョロして落ち着きがなかった。