あの夏に僕がここへ来た理由
「あの・・・ 実は・・・
ちょっと、ここに座ってもいいですか?」
「え? はい。
どうぞ・・・」
ひまわりはおどおどしている割に玄関に座り込んだこの人を、少し不審に思った。
「あの、実は、僕は、小さい時におじいさんにとてもお世話になって、・・・
5年前にここを伺った時は、誰も住んでない空き家状態だったんです。
今日は、たまたま、出張先がここに近くてもう一回行ってみようと思って来たら、人がいらしたので・・・」
彼はそう言いながらも、中々ひまわりの顔を見ることはなかった。
「祖父とはどのような関係だったんですか?」