あの夏に僕がここへ来た理由
ひまわりは本当に海人の事が心配だった。
昨日までの私だったら、きっとこういう事を言っている自分を恥ずかしいと思うだろう。
でも、今の私は素直に正直に海人に家にきてもらいたいだけ。
海人はひまわりの顔をじっと眺めた。
長い髪は後ろで束ねて前髪は眉の上でまっすぐに切りそろえている。
大きな瞳はすこしたれ目がちで、笑うと口元に小さなえくぼが見えた。
「あの、よかったら一緒に食事しませんか?
こんな時間だし走ったらお腹すいちゃった」
ひまわりはまだ迷って返事をしない海人に思いやりのある提案をした。
海人は笑顔で和ませてくれるひまわりを見て、さっきの疑念が確信に変わるのが分かった。
僕はひまわりに会いにここへやって来た・・・