あの夏に僕がここへ来た理由
こんなに平穏な時間を過ごしたのはどれくらいぶりだろう・・・
あまりにも突然の出来事に僕は時間を超えたと思っているけれど、もしかすると僕は死んでしまっていて彼女がいるこの世界は天国なのかもしれない。
食後に出された冷たいゼリーというものをほおばりながら、海人は太ももの裏を思いっきりつねってみた。
痛い・・・
ここは本当に現実なんだ・・・
かなり夜も更けてきた。
「僕はそろそろ帰らないと。
ひまわりさんも疲れたでしょう?」
「え、でも、海人さん、帰るところはないんじゃ・・・」
ひまわりは海人が帰ろうとしていることに寂しさが一気にあふれ出した。