あの夏に僕がここへ来た理由




「僕は、以前の僕はちゃんと働いていて裕福ではなかったけど妹や母を養っていた。

父は早くに死んだんだ・・・
だから僕は一家の主だった。」



「海人さん、思い出してきたの?」



「うん、少しだけど・・・」


ひまわりはゆっくりと待った。
海人が話せるまで焦らずに。

海人はじっと足元を見つめている。


「僕は、ひまわりさんに何もしてあげられない・・・

僕はこれからどうすればいいんだろう・・・」


今、僕が頼れる人はひまわりしかいないのは分かっている。
でも、これ以上学生のひまわりに迷惑をかけるわけにはいかない。

じゃ、一人で何ができる?


海人は途方に暮れていた。


「私はきっと海人さんの記憶が戻るまでは放っておけないと思うの。

だから、海人さんが嫌じゃなければ私の家でしばらく過ごしてほしいなと思ってるのじゃだめ?」



「・・・・・」


















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