あの夏に僕がここへ来た理由
過去
朝方に見る夢は、願望の現れだと聞いたことがある。
僕は毎朝同じ夢を見る。
母と妹達が暮らす家に向かってただひたすら走る夢を・・・
海人が過去からここへきて3日が経った。
まずはひまわりとの約束を思い出し荒れてしまった庭を一から作り直す事にした。
煉瓦で小さな花壇が作られているが長い間手を入れずにいたのだろう。
雑草が伸びて煉瓦の囲いまでも隠していた。
所狭しと生い茂る雑草は想像していた以上にやっかいだった。
それでも海人は仕事に専念した。
精を出すことで心が幾分軽くなる気がしたから。
夏の日差しの中、海人は時間も忘れ夢中で働いた。
「海人さん、休憩しませんか?
雲行きも怪しくなってきてるみたいだし」