あの夏に僕がここへ来た理由
ひまわりは、玄関のドアがバタンと閉まる音を聞いた。
居間を覗いた時にはもう海人の姿はなかった。
玄関から外へ出てみると、傘もささずに慌てて走る海人を見つけた。
ひまわりは海人の後をついて行った。
途中で海人が公園へ向かっていることに気付いた。
ひまわりは雨に濡れて走る海人の後姿を見ながら、これ以上尾行することをやめた。
何かの事情があるに違いない。
それを知る勇気が私にはない。
海人に渡すために持ってきた傘を見つめ、ひまわりは家へと引き返すことにした。
すると雷が光り雨足が激しくなった。
ひまわりは海人と出会った3日前をぼんやりと思い出した。
あの時、海人はどこからやって来たのだろう・・・