あの夏に僕がここへ来た理由
海人はひまわりからの質問に正直に答えた。
ひまわりが海人の告白を真剣に考えて受け入れてくれたことに心から感謝していたし、海人の話に一喜一憂しているひまわりがとても愛おしくもあった。
海人は母や妹の事をひまわりに話す時、色々なエピソードを面白おかしく話した。
貧しい生活だったけれどいつも笑いが絶えなかったことや、母と妹達が僕をどれだけ頼りにして愛してくれていたかとか・・・
時代は違えど家族への愛情は何も変わらない。
海人はひまわりに話すことによって、母や妹達の顔が鮮明に記憶として甦ってくる。
息が詰まりそうだった。
母さん達は無事に生きているだろうか・・・
かなりの長い時間、海人は自分の話ばかりしていた。
そして、ひまわりは納得してこう言った。