あの夏に僕がここへ来た理由
「あの、私は、青木さくらといいます」
ひまわりが紹介する前にさくらはそう言うと、ひまわりの隣に飛んできて耳元でこう言った。
「ひまちゃん、かっこいいじゃん。
私もあの顔好き」
さくらは、不思議な魅力を持つ海人に見入っていた。
「海人さん、この子は私の親戚で隣町に住んでいるの。
今日は近くまで来たから寄ったんだって」
ひまわりがそう言うと、海人はさくらの方を見た。
「はじめまして。
木内海人といいます。
今、ひまわりさんにお世話になってて、本当に助かってます」
海人は律儀に頭を下げて挨拶した。
すると、さくらはすぐに彼の隣に行き、
「海人さんっていくつなんですか?
ひまちゃんとはどこで知り合ったの?」
物怖じしないさくらは、すぐに彼に懐いた。