あの夏に僕がここへ来た理由




海人はさくらの突然の訪問に驚いていた。
そして、ひまわりの親戚ということで、さくらにどこまで話していいものか考えていた。


海人は麦茶を飲み干すと、さくらが自分の顔をずっと見ているのに気づいた。


「ひまわりにさくら。

二人とも花の名前なのは偶然なんですか?」


居心地が悪くなった海人は、雰囲気を変えようと二人に問いかけた。


「ひまわりという名前は、ひまちゃんのお父さんがどうしてもつけたかった名前なんだって。

だからひまちゃんは冬に生まれたんだけど、ひまわりになっちゃたの・・・」


ひまわりを見ると黙って下を向いている。


「私のさくらは、ひまちゃんが子供の時にめちゃくちゃ可愛かったから、うちのママが同じ花の名前にしたって言ってた」





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