あの夏に僕がここへ来た理由



なんで、こんなに涙が出るんだろう。


ひまわりは持っていた麦茶を全部飲み干して、海人に無理に笑ってみせた。

すると、海人はひまわりの隣にきて、持っていた空のコップを受け取り机の上に置いた。
そして、ひまわりの涙を指でぬぐった後、海人はひまわりを引き寄せ抱きしめた。


「泣かないで」


海人はそう言うともう一度ひまわりを強く抱きしめた。
ひまわりが泣き止むまで海人は優しくずっと離さなかった。


「やっぱり、ひまわりさんの手料理が食べたいな。

僕も手伝うから一緒に作ろう」


ひまわりの頭を撫でながら、海人はそっとひまわりの手を握った。

ひまわりは息をすることさえ忘れていた。


愛する人を見つけた・・・
もう海人なしでは何も考えられない・・・


ひまわりは海人が過去からやって来たとか、家族の元へ帰りたがっているとか、そういうものが全部なくなればいいと思った。


ずっと私のそばにいてほしい。
このままずっと・・・









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