あの夏に僕がここへ来た理由
光と影




僕は、あの時、半ば当然のように彼女を抱き寄せたけれど、僕達の行く末を考えたとき僕のあの行動は軽率だったのかもしれない・・・



翌日、さくらは朝早くにここへ来た。

昨夜、海人はひまわりからさくらに嘘をついていると打ち明けられた。

僕達はつきあっていて、なおかつ僕は一過性の記憶喪失になっているということだった。


海人もさくらに自分のことをどう説明すればいいか思い悩んでいたし、ひまわりがそれでいいのならそれに合わせることにした。

しかし、二人が恋人同士という設定は、これから先の海人を苦しめることになる。



ひまわりは朝食をとった後、図書館へ出かけた。
借りている本を返しに行く日だった。


「さくらが来たら、蚊にさされないようにこの上着を着るように言ってね」


そう言うと、ひまわりはお気に入りの帽子をかぶり出て行った。








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