あの夏に僕がここへ来た理由



ひまわりは、図書館で他にもタイムトラベルの本がないか探していた。

歴史の本や小説やタイムトラベルを扱っている本は数多くあるが、ひまわりが納得できる内容のものには中々出会えなかった。
今日は何も借りずに図書館を出た。

ひまわりはこれから先の彼のことを考えると、また過去へ戻れる可能性はないのではないかと思っていた。
今の二人にとって、過去へ戻る術を見つけることは並大抵ではない。


もし、海人がこのままここに留まるのなら、私はそれで構わないと思っている・・・


そして、心の奥底でひまわりはそれを願っていた。

ひまわりは図書館の帰りに近所のパン屋に寄り、お昼ご飯に食べるパンを何個か買った。

そして、今日は昨日のような振る舞いはしないと心に決めていた。


さくらにとって私と海人は恋人同士なのに、私が初恋を知ったばかりの少女のようにドギマギしている姿は不自然にもほどがある。


ひまわりは昨日とは違う余裕のある自分でいれるように、大きく深呼吸をして家に入った。






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