猫になりたい少女のお話
少女の家は、両親が共働きで忙しく、
1人で家の中で過ごすような日々が続いていました。
1人だった少女は
ある月が綺麗な晩、捨てられていた猫を拾い、
一緒に1人だった夜を越しました。
しかし次の日、帰ってきたお母さんに少女は怒られました。
少女のお父さんは猫アレルギーで
「猫を飼っても良い?」と聞いた少女の言葉を聞き、
お母さんは「捨ててきなさい」と怒ったのです。
少女は再び段ボールに猫をいれ
「ごめんなさい」と泣きながら別れを告げました。
そして泣きながら帰る途中、
おばあさんに出会い泣いている理由を聞かれ、
少女はおばあさんに溜息交じりに言われたのです。
『猫を飼いたいっていう気持ちは大切だよ。
でもちゃんと家族のことも考えてあげなさい?
1度拾って捨てるような真似、しちゃいけないよ』
少女はおばあさんに連れられ家に帰宅しました。
そしてベッドの中で猫を思い泣きながら少女は思ったのです。
意地悪な、おばあさんだと。
正しいことを言っているにしても、
猫を拾い飼いたかった少女にとって
言うだけ言って飼おうとしないおばあさんは無責任だと感じたのでしょう。