猫になりたい少女のお話
ある月が綺麗な晩のことです。
布団に入ってもなかなか眠れない少女の前に、
二本足で杖を持つ真っ白な毛の長い猫が、
窓も部屋の扉も閉まっているはずの少女の部屋に入って来ました。
驚く少女でしたが、
それよりももっと驚くことがありました。
それは猫が人間の言葉を喋ったことです。
「おぬし、猫になりたいんじゃな?
その願い、わしが叶えて差し上げよう。
ただしおぬしの願いが叶うのは、眠りにつく太陽が目覚めるまでの間じゃ。
太陽が目覚めた時にもう1度問う。
おぬしは本当に猫として生きたいのか。
もしなりたいと願えば、一生おぬしは猫のまま生きるじゃろう」
少女は二本足で立つまるで人間のような猫と約束し、
小さな仔猫へとなり夜の街へ飛び出しました。
「あの人はきっと猫の神様。
わたしの願いを叶えてくれるんだ!
でも…何でもう1度猫になりたいかなんて聞くんだろ?
わたしの答えなんて決まっているのになぁ」
疑問が出ましたが少女は今猫の姿。
思い切り楽しむため少女は走り出しました。