猫になりたい少女のお話






しかし喉は乾きます。

歩いているだけではなく塀や木を上ったので疲れるのは当たり前。




少女は仕方なく自動販売機を羨まし気に見つめた後

公園に行くことにしました。

公園に行けば水飲み場があります。

お金がなくても自由に飲めます。

少女も友達と公園で遊んだ日は水を飲みます。




しかし公園に着き少女は固まりました。

水飲み場を見つけ近づいたのは良いものの、

上に噴射される水も下に落ちる水も、

蛇口を捻らなくてはいけないからです。




少女はあの猫のように二本足で立ちますが、

小さな体では立つのが難しく、

届くのでさえも難しく

届いたとしても蛇口を捻るのはどちらも出来ませんでした。




人間だったらお水が飲めたのに。

いつもだったら簡単に捻ることが出来たのに。





少女は喉が渇き、

その場にしゅん、と落ち込みました。






< 4 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop