猫になりたい少女のお話
しかし喉は乾きます。
歩いているだけではなく塀や木を上ったので疲れるのは当たり前。
少女は仕方なく自動販売機を羨まし気に見つめた後
公園に行くことにしました。
公園に行けば水飲み場があります。
お金がなくても自由に飲めます。
少女も友達と公園で遊んだ日は水を飲みます。
しかし公園に着き少女は固まりました。
水飲み場を見つけ近づいたのは良いものの、
上に噴射される水も下に落ちる水も、
蛇口を捻らなくてはいけないからです。
少女はあの猫のように二本足で立ちますが、
小さな体では立つのが難しく、
届くのでさえも難しく
届いたとしても蛇口を捻るのはどちらも出来ませんでした。
人間だったらお水が飲めたのに。
いつもだったら簡単に捻ることが出来たのに。
少女は喉が渇き、
その場にしゅん、と落ち込みました。